先日は父の通院の付き添い。
「ヘラヘラつうしん」を待合室で見つけました。
姫路が誇る版画家岩田健三郎さんが
週間で発行されている冊子です。
姫路の方ならお馴染みですよね。
こうしたクリニックや飲食店に
さりげなく置いてある事が多いです。
何冊かあった中から、2018年発行のものを選び、何気に開くと、お付き合いのある「農家のごはん ことほぎさん」の事が書いてありほっこり
そしてこの冊子の中に、「出会いは、初対面・再会、そして3度目があって、付き合いになっていく」という一文がありました。
なるほどなぁとこの言葉の持つ意味に感心していました。
ユーモアな作風も柔らかな丸みを帯びた字体も岩田さんそのもの。
字は体を表すとはよくいったものです。
優しくて温かくて、文化人であるこのお人が私は大好きなのです。
昨年、私は岩田さんと二度目の再会を果たしました。
県立こどもの館で行われた創立30周年記念イベント
岩田健三郎さんと版画を作ろう
40人くらいの親子で巨大な一枚のため池の版画を作り上げるという壮大な合作企画
台風で一日休みになりましたが、丸3日間かけて、朝早くから夕方までみんなで協力して一枚の版画を作る作業は想像以上に高揚するものでした。
ため池にはどんな植物や昆虫、動物がいるのかから考え、下絵を描き、彫り、すりまで体験させていただきました。
子供だけとの思いでしたが、たまらず私も飛び入り参加
B5サイズほどの版画が自分の持ち分。
それを隣同士話し合ってつなげていきます。
作業中
コツコツ彫るんやぞー
でも、休憩もするんやぞー
人生もおんなじ。
人生は休憩もものすごく大事なんやぞー
隣の人が間違ったらどうするんやー
「ゆるす」やぞー
この言葉を何度も何度も話されて、子供達に教えを解いておられました。
全国で一番数が多い兵庫県のため池
でも知ってる人が少ないため池
ため池の動植物
自然、環境
みんなで協力して創作すること
他にもたくさん学びがありました。
植物に関する造詣も深くて、今まで何気なく見ていた岩田さんの作品ですが、草花一つとっても博士並みの知識がおありでした。
作品の奥深い味わいの源に触れたようでした。
でも岩田さんはいっつもニコニコ。決して説教がましくなく、いつもユーモアたっぷり。笑いを交えながら大切な事を教えてくださいました。
今の子供達にはまだ届いていないかもしれませんが、きっと子供達はこの先、ふとした瞬間にこの日の学びを思い出すんだろうなと思います。
それは、止まっていた足にエンジンをかけ次の行動に繋がるきっかけになるかもしれませんし、苦しみの中での慰めになるかもしれません。
体験というのはそういうものです。
体験して実感するともうそれは自分の身体の一部になります。
ふとした瞬間に大きな力になることだってあります。
そんな次につながる体験をさせていただきました。
岩田さんとは、以前、地の座で一度お会いしてお話しをしたことがあります。
「地の者が地のモノを地の人に」といコンセプトで地場の食のイベントを開催されていた時期がありました。
今回で二度目の出会い
母校も同じです。
三度目もあったらいいな
介護が落ち着いたら、時間を作って講師を務めてらっしゃる生涯学習大学で版画を一緒に楽しみたいという野望も密かにあります。
以下岩田さんのへらへら通信より
私が亡くなっても、こうやって増やせば大きなため池になっていくからねと言われていました。
老いを感じる年代になり、最後の合作と岩田さんは強調されていたので、すごく切なくなってしまいましたが、未来につながる素敵な発想ですね。
岩田さんをはじめ、スタッフの皆さん、ボランティアの皆さんのおかげで、素晴らしい体験ができました。
県立こどもの館 和の広場にいけば出会えます。
私もまた人生の折り返し地点を迎え、岩田さんの老いるという感覚、伝えていくという事がどういうことかわかるような歳になってきました。
大それた事はできませんが、私は私なりに感じた事を身近にある生活へと繋げていっています。
へらへら通信はweb版もあります。
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